新卒採用における人材確保の重要性

recruit hr

新卒採用においての人材確保

新卒採用の多様化

昨今の新卒者における就職活動は新卒採用向け就職情報サイトに登録し、その手軽さから「取りあえずエントリー」といった意識の低い無駄な応募が多いのが実情です。

就職氷河期と言われたリーマンショック以降、有効求人倍率は緩やかながら徐々に回復し1.0倍こそ下回っているものの、新卒者一人当たりのエントリー数が年々増加してきていることから、どの企業でもエントリー数自体は増加しており、母集団の確保こそできている一方、優秀な学生の確保・囲い込みに苦慮しているとの声が多く聞かれます。

こうした背景もあり、企業側の採用スタンスも従来の母集団の確保から、本当に志望する質の高い学生の確保にシフトしてきている状況で、新卒採用の効率化を求めて従来にない様々な工夫を凝らしてきています。

目先直面する課題としては、無作為に増えるエントリーに対して煩雑化する採用業務の負担増、志望度の低い応募者に対するスクリーニング、すなわち如何に優秀な学生を効率よく確保できるかが最大の課題となりつつあります。

例えば10名程度の新卒採用をしようと考えた際、どの程度の母集団を集める必要があるかと考えたとすると、従来の考え方で言えば概ね1,000人程度のエントリーを確保しなければならず、その1,000人のエントリーを確保するためには、複数の媒体に出稿したり、様々な就活イベントに露出したり、各地で説明会を行ったりと採用企業側の負担のほか、媒体費用などのコストも非常に大きな負担になっている状況であります。

また、そうして苦労して内定を決定しても内定辞退やミスマッチによる早期退職など、マインドの低い学生を採用するリスクは年々増加傾向にあり、企業の採用担当者も一段と慎重にならざるを得ない状況です。

少なくとも1,000名からのエントリーがあれば、その1,000名を書類選考し、数百人を面接したうえで内定者を決定する訳で、その労力が必ずしも報われるかどうかは不透明という従来の母集団を集める戦略は非常に非効率であることが認識されつつあります。書類審査で既に半数以上はお断りする訳ですが、そのお断りした学生さんが本当に自社にとって不要だったかどうかを考えると、いかにマスの確保が非効率かが分かります。

足許では、徐々にエントリー数の確保自体が難しくなってきており、各企業様からは「費用を掛けているのに母集団の確保が困難」「母集団の質の低下が著しい」との指摘があります。

一昔前まではとにかく数を集めて、そこからスクリーニングして絞り込むという流れが主流でしたが、上述のとおりマインドの高い優秀な学生さんの確保が課題となりつつある昨今では、就職情報サイトなどを経由すする母集団確保から、イベント面談やスカウト面談などの違ったアプローチでの囲い込みを模索する傾向にあり、学生側もこうした流れを敏感に察知し、常に自己研鑽を心掛ける前向きな学生さんは、こうした一括採用サイトなどに依存せず、積極的に自身をアピールできるイベント面接などに参加しています。

年々、採用充足率や内定者の満足度が低下するなか、既存の新卒採用の仕組みは徐々に見直される傾向にあると思われます。企業の採用基準も緩和傾向にあるにもかかわらず企業側が希望する人材の獲得ができていないという現状、そして採用基準緩和により、希望者の能力不足や業界への興味や関心度が低いなどといった弊害が出ているとも言われます。

個々の問題ではありますが、なかには「取りあえず内定さえもらえれば良い」というスタンスが垣間見れるような学生もいたりで、やはり採用フェーズも旧来の母集団確保から、面談などのコミュニケーション型の個別接触にシフトしてきている傾向が強まっています。

これからの新卒採用はいかに学生さんとのコミュニケーションの場を持つことができるか、旧来の方式では接触が困難な学生さんが増加してくると思われ、ますます母集団の確保は難しくなってくると思われます。

新卒採用の意義

recruit hr

まず自問していただきたいのが、新卒採用を行う目的です。 これによって、新卒採用活動の方向性や力を入れるべきポイントが違ってきます。

安定した人材確保

数十万人の学生が一度に就職をする (少なくとも目指す) という新卒採用市場は、新卒採用 「力」 さえ身につければ、企業が安定的に人員を確保するのに大変適した市場です。 一方、中途採用市場は景気により流動性があるため、人員を供給するチャネルとしては相対的に不安定です。

事業の景況感により致し方なく新卒採用者数を増減させたり、そのギャップを中途採用で埋めたりすることもあるでしょうが、それを繰り返していると様々な面で問題が発生します。

そこでお勧めしたいことは、一度新卒採用を始めると決めたのであれば、できる限り一定の人数を安定的に採用すべきということです。

新卒採用は中途採用と異なり、採用を準備し始めてから実際の入社まで長い期間があります。 下手をすると1人の学生が入社するまでに、出会ってから2年近くたつこともあります。

しかし景況感は 「今」 です。 今の景況感が、学生たちが入社する1〜2年後にもそのままであるとは限りません。

自戒を込めて申し上げるのですが、これまで私が実際に接してきた企業様における採用計画人数が、後に振り返って適切だった例は正直あまり多くはありません。

たいていは採り過ぎたり、不足したりしていました。 しかも、たいがい他社も似たような採用数増減の意思決定をすることが多く、自社がたくさん採りたい時には 「売り手市場」 、自社が採用を絞る時には 「買い手市場」 であることが多いのです。

ですから、世の中の採用数の増減に惑わされずに一定の新卒採用人数を維持しておけば、採用しにくい売り手市場で本来は基準に満たない人を採用することもありませんし、採用しやすい買い手市場でも自社にとって望ましい人材を採用することができるのです。

さらに、新卒採用という社員の人口ピラミッドの入り口で安定的に人員を確保しておけば、退職率の増減があまりに激しいということがない限り、自然と美しいピラミッド型の組織が生まれます。 完全実力主義で年齢など全く関係ないという会社であれば別ですが、現実的には、年齢が上にいくほど人数の少ないピラミッド組織の方が、様々な面で運営しやすいという会社が多いのではないでしょうか。

会社の活性化

recruit hr

新卒採用の目的の2つ目は 「組織の活性化」 です。 若い新人が入ってくることによって、組織はたくさんのメリットを享受し、活性化するのです。

新卒社員は初めて社会や仕事に触れることが多く、「何も知りません」。 したがって、新人に対して何かを教えたり伝えたりしようとする場合、「旧人」 同士でしか通じないような言葉やあうんの呼吸、以心伝心のような 「背中で教える」「わかってくれよ」 は通用しません。

昔はそれでも新人は我慢したのでしょうが、今では逃げていくことでしょう。 そして何より、人材育成のスピードは企業の競争力の根幹ですから、 「わかってくれよ」 でわからなければ、別の方法で理解してもらうしかありません。

そこで、自分の仕事や事業の戦略などを誰でもわかるような言葉で表現する、言い換えれば 「形式知化する」 ことが、旧人たちに要請されます。

何年も競争環境が変化せず、一度身につけた知識やスキルが長年通用したような時代であれば、 「形式知化」 の価値はそれほどなかったかもしれません。 ところが、現在のような変化の激しい環境において、これまでのやり方を随時振り返りつつ改善や変革を行っていかなければならない場合には、こうした「形式知化」 の価値は計り知れないものです。

なぜなら、企業内で最も変えにくいものは 「不文律」 だからです。 誰もが無意識のうちに陥っている行動や思考のパターンは、無意識であるがゆえに変えにくいものです。
しかし一度形式知化を経ることで、変える必要に気がついたり変えるべきところがわかったりします。

このように、新人にも分かる言葉で教える努力をすることが、結果的に組織変革のベースとなる、今持っている知識の形式知化を促進することになるのです。

会社の文化

組織マネジメントの方法にはいくつかの段階や考え方があります。 また、業種や成長ステージにおいてもそれぞれ、適しているものは異なってきます。

例えば、マニュアルなどを整備して1から10まで行動を指示するマネジメント が適している企業もあれば、ゴールと達成時のインセンティブだけ示して、後は個人の創意工夫に任せ 「自由と自己責任」 によってマネジメントする手法が適している企業もあると思います。

ただ、企業において 「創造性」 が重視されてきている現在においては、例示したマネジメントよりも、個人が創造性を十二分に発揮できるような別の方法を求める企業が増えてきています。それが、 「文化によるマネジメント」 です。

厳密なルールで縛るのではなく、結果だけ見て後は自由にさせるのでもなく、企業が目指す方向性や理念および価値観 (よく、ビジョン、ミッション、バリューなどと呼ばれているようなものです) を提示することで、社員個々人が自由に振る舞いながらも大枠は踏み外さず、創造性を発揮しながらも組織の全体最適も失わない、そんなマネジメントが 「文化によるマネジメント」 です。

しかし、このような 「強い文化」 を作り出すにはいくつかの要件があり、それには日本の場合、新卒採用が大きく関与しています。

まず、「強い文化」 に必要なのは、文化を流通し増幅させるためのインフラとなる、社員の間のインフォーマルネットワーク です。

厳密なルールで縛らない以上、個々の社員の考えや行動に影響を与えるのは、周囲の社員の考えや行動です。 スタートアップベンチャーなど志ある人が集結してできた会社の場合には、中途採用ばかりでも当然強いインフォーマルネットワークが存在しますが、一定以上の会社になれば、新卒採用の 「同期」「先輩・後輩」 というつながりが、このインフォーマルネットワークのベースになります 。

また、新人で構成されているインフォーマルネットワークは、中途採用人材よりも 「真っ白なキャンバス」 であることが多いため、会社側が醸成したい文化を (それが文化の 「維持」 であろうが 「改革」 であろうが) 流通させるには適しています。

このように、採用を新卒にシフトすることで、「文化のマネジメント」 がしやすい素地をつくっていくことができるのです。

recruit hr

外国人人材の採用ならエスノキャリア


国内外の新卒・第二新卒・中途採用・ハイキャリアなど豊富な外国人人材にリーチ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です